1. 読んでほしい人を具体的にする

家族に思い出を残す本と、初めて会う読者に買ってもらう本では、必要な説明も届け方も変わります。「多くの人」から一歩進めて、家族、同じ趣味の仲間、講座の受講者など、顔を思い浮かべられる読者を書いてみましょう。

たとえば家族に渡す自分史なら、出来事の年表や写真の人物名が役立ちます。一般に販売するなら、家族の事情を知らない人にも背景が伝わる説明が必要です。読者を決めることは、書く内容を整理する作業でもあります。

2. 出版して実現したいことを一つ選ぶ

記録を残す、作品をまとめる、知識を届ける、販売する。目的は複数あってもかまいませんが、迷ったときの優先順位を決めておきます。「100部を売る」だけでなく、「親族に渡して話すきっかけにする」のように、完成後の使い方まで考えると仕様を選びやすくなります。

商業出版への応募が第一の目的なら、募集要項の未発表条件や応募中の扱いを先に確認してください。自費出版した作品を応募できるかどうかは、賞や出版社によって異なります。

3. 売上を当てにせず予算の上限を決める

本を作る費用以外にも、送料、保管、販売手数料、紹介用の見本などが必要になる場合があります。出版後の売上は確約できません。売れなかった場合にも負担できる総額を基準にし、追加作業のための余裕も確保しましょう。

限られた予算では、何を自分で行い、どこを専門家に頼むかが大切です。誤字の確認を省くより、部数や装丁の仕様を見直す方が、読みやすさを保ちやすいこともあります。

4. 配る部数と販売する部数を分ける

渡す相手をリストにし、必要部数を数えます。著者の保存用、見本用、予備も別に書き出してください。販売分は希望だけで大きく積み増さず、予約やイベントなど、実際に届けられる機会を基準に考えます。

部数を増やすと1冊あたりの単価が下がっても、支払い総額と保管する量は増えます。増刷や受注後に印刷するPODも比較すると、最初に大量の在庫を抱える必要があるか判断できます。

5. 完成したい日から逆算する

記念日や展示会など、使う日が決まっているなら、納品日と配布日を分けて伝えます。原稿の完成、写真の確認、校正の返却に、自分が使える時間も見込んでください。

まずは「読者・目的・予算上限・必要部数・希望日」を1枚にまとめましょう。未定の項目は未定のままで相談できます。このメモがあると、相談先が変わっても同じ条件で話を進められます。